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令和6年度障害福祉サービス報酬改定の方向性について(就労継続支援A型、B型事業所等)

令和5年10月に入り、就労系サービス事業所における令和6年度からの報酬改定に向けた検討の方向性が公開されました。
以下、報酬改定における検討の方向性についてです。

〇就労継続支援A型事業所

① 利用者さんの平均労働時間の長さを一層評価
(現状、全国で5割の事業所が、4時間以上30分未満である)
② 生産活動収入で売上原価等(家賃、水道光熱費、仕入れ値、賃金等)を賄えている事業所を一層評価
(現状、生産活動によるスコア40点満点の事業所が4割、最も低いスコア5点の事業所が4割と2極化が顕著)
③ 経営改善計画に基づく生産活動収入により、利用者さんの賃金が賄えない事業所を新しいスコアでマイナス評価
(現状、スコア150点以上が上位3割の事業所である。一方、スコア105点以上130点未満の事業所が4割である。)

A型事業所については、成果主義をより推し進め、事業所間の格差を広げる改定となりそうです。
現状、③でもありますように、スコア105点以上の獲得は、生産活動が最も低い5点であったとしても、他の項目でスコアを獲得することで達成できる点数です。このことを考えますと、生産活動で得た収益で利用者さんの賃金を賄うことが難しい事業所は、単位の減少を余儀なくされる可能性があります。

〇就労継続支援B型事業所

① 高い工賃の支払いを実現している事業所を一層評価
(現状、月額1万円未満、1万円以上1万5千円未満の占める割合が最も多い)

② 参加型の事業所で、かつ、生活支援員及び職業指導員の配置割合が10:1の事業所の収支差率が、平均工賃月額連動型の事業所で、かつ、生活支援員及び職業指導員の配置割合が10:1の事業所の収支差率に比べて大きい。これを見直す。

③ 目標工賃達成指導員配置加算を算定する際に立案する、工賃向上計画の評価を求めていく。

④ 新たに、人員基準の中に6:1を設ける。
(現状、6割の事業所が6:1以上の配置である)

⑤ 体調不良等により、月に数回の利用になる場合、事業所全体の平均工賃月額実績を下げてしまう。月の利用回数が少ない利用者さんに関する新たな算定式を確立していく。

B型事業所については、全体的に工賃向上に向けた取り組みを推し進める反面、利用者さんの年齢の上昇によるケアニーズの必要性の高まりから手厚い人員配置を求めていく改定になりそうです。また、事業所数は増え続けています。このような状況下、7.5:1から6:1へ基準人員を引き上げとなりますと、職員の確保に本腰を入れていく必要がでてきます。特に、目標工賃達成指導員を配置している事業所は、実質5:1の人員配置が必要になりますので、来年度に向け人材確保及び育成の方針を固める必要があります。

以上、今回は就労継続支援A型事業所と、B型事業所に絞って、検討の方向性と、考察をしました。
上記の他、就労移行支援、就労定着支援に関する改正の方向性、一時的な福祉的就労の利用、施設外就労の実績報告の廃止、生活支援員等に対する基礎研修の受講義務、施設外支援の個別支援計画の見直しの頻度を1週間から1か月への伸長、等の方向性が公表されております。

就労系のサービスの事業所様は是非ご確認ください。

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