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解雇は労働基準法遵守+○○が必要。

人手不足対策のため積極的な新規採用と職場定着を図る事業所様の職場環境支援に関わらせていただいています。その中で、意外にも解雇のご相談が増えています。

そこで今回は「解雇」について、初心に戻って考えていきたいと思います。

まず、職員さんを解雇する場合、絶対に守らなければならないルールがあります。

労働基準法19、20、21条です。

特に一般的な規定は20条(解雇の予告)です。

解雇をする場合、事業所は職員に少なくとも30日前までに解雇日を特定して通知をする必要があります。(なお、予告期間の計算は民法140条の一般原則(解雇通知をした日は30日に含まない)が適用されます)

30日も待たずに解雇をしたい場合は、30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。(平均賃金とは、労働基準法第12条によるもの)これを解雇予告手当といいます。

これは、例えば、2019年5月15日で解雇する旨の通知を2019年5月1日に通知した場合、5月1日の翌日である5月2日~5月15日までは14日しか猶予がありません。よって、30日-14日=16日分の平均賃金の支払いが必要になるという考え方です。

なお、解雇予告手当は、解雇日までに支払うものと言われています。

以上の労働基準法を遵守していれば、解雇はできます。(当然、解雇を認めながら解雇予告手当を支払っていない等の事由があれば法違反を構成し、行政指導等の対象となります。)

解雇はできるのですが、解雇をした理由が不当であると、解雇が無効になったり、職員から損害賠償請求を受ける事案も目立ちます。事業所としては、こちらを意識した労務管理が必要だと言えます。

民法という法律があります。この法律は私人間の法取引について規律する法律です。よって、労働基準法のように国(行政)と私人間を規律する公法とは異なります。民法の特別法である労働契約法という法律がありますが性質は民法と同じ(私人間(労働者と使用者間)の法取引)であり、民法に優先されて適用されます。

労働契約法16条「解雇は客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当であると認められない場合は無効とする」

労働契約法16条は職員さんから見た場合、事業所がなした解雇に「ちゃんとした理由があった」と証明させる根拠条文となります。

「合理性」と「相当性」が問題となります。以下、説明します。

「合理性」とは

① 事業所の解雇の必要性と職員が受ける不利益の程度を比較した時にどちらが重大か

② 解雇回避努力義務(配置転換、異動、その他労働条件の変更等)を果たしたか否か

③ 能力不足であれば再教育、再指導を行ったか否か(ある一定の能力があることを前提に雇用した場合は、再教育や再指導の要件は緩和される可能性がある)

④ 勤務態度不良であれば、注意・指導は行ったか否か


⑤ 職員の過去・現在・将来の見通しを前提とした評価であるか否か

「相当性」とは

「相当性」は、「合理性」が肯定(解雇が有効)された場合において二次的に審査される場合に検討される場合がある。(高知放送事件・第二小判昭和52・1・31)

① 解雇の理由が事業所から排除しなければならない程の理由か否か

② 事業所で働く他の職員と平等に扱った結果であるか否か

③ 解雇に際して、職員に十分な説明をし、職員の説明を聴取してきたか否か

※なお、具体的判断は個別事案によります。一般的には上記判断基準以外にも職員にとって有利な事案を拾い、総合的に判断される可能性があります。

解雇を検討されている事業所さま。まずは、「合理性」と「相当性」について考えてみてはいかがでしょうか。

これらの基準を意識し、職員さんと向き合う過程で、意外にも物事は好転するかもしれませんね。

そして、注意や指導、再教育等をした場合、記録はきちんと書面等でとりましょう。事業所が解雇を選択しないようにいかに努力してきたか証明する証拠にもなります。

最近ご相談が多いのは採用したら能力不足・勤務態度が悪かった、等です。

「採用の自由」は事業所にあります。(三菱樹脂事件 最高裁昭和48・12・12大法廷判決)採用の段階で、事業所に適した人材か否かを見極める力、ツールを活かす必要性がますます増していると思われます。

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