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介護事業所における労務管理②(訪問介護事業所における時間管理での留意点)

平成24年4月の改正介護保険法にて、労働基準法等の労働法規に違反し、罰金刑を受けた事業者の指定を取り消すことができることとなりっております。
そのため、労働法規の遵守は益々重要になってきていると言われています。
 
労務管理でも特に煩雑なのが労働時間の管理です。
労働基準法…32条の労働時間(以下「労働基準法上の労動時間」という。)とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、右の労働時間に該当するか否かは、労働者の行為が使用者の指揮命令下に置かれたものと評価することができるか否かにより客観的に定まるのであって、労動契約、就業規則、労働協約等の定めのいかんにより決定されるべきものでないと解するのが相当である。三菱重工長崎造船所事件(最高裁H12.3.9)
上記最高裁判例からも読み取れるように、契約書で定めた時間が労働時間ではなく、使用者の指揮命令下に置かれている時間かどうかが最も大事なポイントとなります。
 
これを踏まえた上で、以下、訪問介護事業所においての労働時間となります。
 
1)ご利用者さま宅から事業所、ご利用者さま宅からご利用者さま宅などの移動時間が通常要する時間であれば使用者の指揮命令下に置かれている時間と評さる。そのため、賃金が発生する労働時間となります。
※ただし、ご利用者Aさんの訪問介護を終えて、その足で次のご利用者Bさんのご自宅へ移動した場合で、ご利用者Bさんの訪問時間が開始するまでの間に、訪問介護員の裁量により自由に時間を利用できる場合は、その時間は指揮命令下になく、労働時間には算入されません。
※自宅からご利用者さま宅へ直行、ご利用者さま宅から自宅へ直帰、事業所から自宅へ帰宅、の時間は通勤時間となりますので、労働時間からは外れます。
 
2)業務日誌(報告書)等の作成時間
その作成が、介護保険制度上作成が義務づけられているもの、または、業務上作成が義務づけられているものの作成に要した時間は労働時間と解されます。
 
3)事実上義務付けられている研修時間
使用者より、参加が義務づけられているものは労働時間となります。
参加が形式的には義務づけられていなくても、参加しなかったことに対して、就業規則上の制裁などの不利益な扱いを受ける場合や、参加しなかったことにより他の職員と比較して業務に支障をきたす場合は、事実上指揮命令に基づいているとみなされるため、労働時間と解されます。
 
4)自由な時間の利用が保証されていない待機期間
ご利用者さまからの連絡や使用者の指示があれば、いつでも対応しなければならない時間をいいます。
以上の1)~4)の基準をもとに労働時間とみなされる時間をカウントします。
 
 
なお、ご利用者さまからの急な利用日の変更、キャンセルに伴う、訪問介護員に対する賃金は労働基準法26条に基づき※平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければなりません。
本来は民法536条第2項の危険負担の問題であり、使用者はその日の給与の全額を負担しなければならないのですが、契約特約で排除することもできるため、労基法で履行の確保を図っているものです。
労基法は民法よりも会社都合で休業させた場合の責任を広く認めています。これに、介護事業所のキャンセルなどが含まれということになります。
※平均賃金とは休業日以前3箇月間にその労働者に対して支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で除した金額をいいます。給与締日の有無、完全月給制、日給月給制等により計算方法が異なります。
 
訪問介護事業所に焦点を当てて主に労働時間について記載させていただきました。
ここまでご覧いただきありがとうございます。(^^)
 
 

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