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介護職員処遇改善加算のいろいろ(平成29年度の変更について)

こんにちは。社会保険労務士の西田です。(^-^)
早速ですが、本日は介護職員処遇加算について簡単にご説明させていただき、平成29年度からの介護職員処遇改善加算の変更点についてご説明させていただきたいと思います。
 
まず、平成28年度までの加算を取得するための要件について簡単に触れていきたいと思います。
 
1.職位・職責または職務内容を踏まえた任用要件及び賃金体系の整備
2.研修の機会、資格取得の機会の付与等
3.職場環境等の整備
4.介護職員処遇改善計画書を策定していること
5.計画書を職員に周知し、都道府県知事、市町村長へ届出がなされていること
6.賃金改善実施期間内に算定額に相当する額を上回る改善を実施すること
7.原則、年度ごとに賃金改善の実績報告を都道府県知事、市町村長へ行うこと
8.算定日の属する月前12月において、労働法令に違反し、罰金以上の刑を受けていないこと
9.労働保険料の適正な納付ができていること
※1~3は加算Ⅰ、加算Ⅱ、加算Ⅲでそれぞれ満たさなければいけない範囲が異なります。加算Ⅰは1~3全て満たす必要があります。
この制度ができたのは、平成24年度から介護職員処遇改善加算としてスタートしています。
(以前、平成21年度より介護職員処遇改善交付金があったが、制度が介護報酬の中に組み込まれました)
 
 
次に処遇改善加算の特徴として、、
① 介護報酬単位数に加算率を用いるため、利用者負担が発生すること。
② 賃金改善実施期間(原則年度ごと)における加算受給額を改善実施額が上回ることが大前提であること。
※賃金改善実施期間中に支払日があること。
※改善実施額には法定福利費も含まれること。(健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、労災保険料、子ども子育て拠出金)
③ ②のように実施期間内の改善が必要なため、万が一受給額が上回った場合、年度末に調整する手段を与えるとして「賞与や一時金での改善」もOKなこと。
④ 介護保険法改正時、報酬改定の見直し時、介護処遇改善加算が基本報酬に組み込まれてしまう等の可能性があり、今後必ず毎年度、加算が存続する保証はないものであるということ。
⑤ ④のため、基本給による改善をした場合、加算制度がなくなれば、労働条件の不利益変更に繋がり、その場合個々の職員から変更の同意を得る必要があること。
上記のような特徴があります。
 
 
その上で、、
平成29年度の改正ポイントです…
・新加算Ⅰの創設
事業所において、
①経験(実務経験○年以上は管理職、給与は○○万円~等)、
②資格(初任者研修終了者で○○手当付与等)、
③評価(人事評価でB評価以上の者は賞与に○○円上乗せ、社内にて介護実技及び筆記テストで60点以上の者は次年度より○○円昇給等)、
上記①~③のいずれかを用いて昇給の仕組みを就業規則に設け、周知させることにあります。
※昇給の方式は基本給、手当、賞与を問わない。
この要件を満たし都道府県知事、市町村長に届出することで、平成29年度より月額平均1万円程度の加算が増加されることになります。
 
ここまで簡単に介護職員処遇改善加算について記載させていただきましたが、他にも、、
・処遇改善加算の対象者の範囲について
(処遇改善は専属の介護職員だけなのか…看護師も介護をしているが改善の対象とはならないのか…)
・賃金水準の比較について
(交付金時代から受給している事業所と、平成24年度から加算を受給している事業所の違い、事業所が加算とは別に行った自主的な賃金改善はどうなるのか…)
・賃金改善の方法について
(誰に、いくら改善しなければならないのか…)
・平成27年度より創設された特別事情届出書とは
(改善を実施してもトータル(年収)でみたときに下回ってしまったとき…)
・行政からの実地指導について
(実地指導時に適正に対応するために準備することは…)
・職場環境等要件の項目を実施した際の関連書類の保管の方法
(証拠書類の保管について)
上記のような事項を細部にわたり、確認していく必要があります。
介護処遇改善加算を取得した事業所さまは、就業規則等の労働法令改正の他に、介護報酬改定の流れを随時把握しておかなければならないため、管理・運用が煩雑になると思われます。行政の調査にもしっかりと対応できるように日頃から前述したことを意識していく必要があります。
 
ここまでご覧いただきありがとうございました!!(*^_^*)

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