令和6年度処遇改善加算制度について
社会保障審議会において、連日、令和6年度の法制改正に向けた審議が行われています。
改正に向けた議論の中で特に重要なテーマが、介護・福祉人材への処遇改善です。
厚生労働省の調査によりますと、2022年における介護職員の月額平均給与は29万3千円であり、全産業平均と比較して7万円も低いという結果がでています。また、この差は2023年に巻き起こった賃上ムードの加速により益々拡大していると予測できます。
現状を放置すると、ベテラン介護・福祉職員は益々、賃金の高い他産業へ流出する要因となり、人手不足に拍車がかかります。
このような中、厚生労働省は以下2つの施策を決定しています。
① 2024年度の報酬改定において、現在の3つの加算(処遇改善加算・特定処遇改善加算・ベースアップ等支援加算)を一本化する。
・3つの処遇改善加算を1つにまとめる。ただし、ベースアップ、昇給要件等のキャリアパス要件、職場環境等要件、ベテラン介護職員の定着といった、現在3つの加算に求められている要件は残す方向で検討している。
・配分対象者は、現在の括りを残しつつ、介護職員を中心に柔軟に他職種へ配分できるようにする。
・計画書等の記載をより簡素化する。
特定処遇改善加算の配分比率、ベテラン介護職員の定義を記載する欄を削除する。
・職場環境等要件の強化する。
職場環境等要件の項目を増やす。年次有給休暇の取得促進方法やキャリアアップのための研修内容の公表等を求める。
令和6年度 処遇改善加算(厚生労働省資料 抜粋)
② 2024年2月から介護職員の給与を月額6千円UPする。
・当該施策は①とは別の施策であり、全額補助金で実施する。(利用者負担が発生しない)
・現行のベースアップ等支援加算に上乗せして支給することを想定している。
以上のような状況です。
なお、介護職員だけではなく、福祉・介護職員も対象となる予定です。
介護支援専門員等の介護職員以外に対する配分の是非については、引き続き議論を重ねていくとしています。
2024年は年明け早々、賃上げのための配分ルールの決定、報酬改定への対応、新処遇改善加算制度の計画書作成等、多忙なスタートとなります。是非、今の段階でイメージを持っていただければと思います。
本記事作成時点での情報ですので、今後詳細の内容について変更される可能性があります。
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