障害者権利条約の対日審査について。
令和4年8月22日、23日の2日間にわたりスイスジュネーブにおいて、日本が障害者権利条約を批准した後、初めての対日審査が行われました。審査の結果2022年9月9日に総評(勧告)が発表されています。
日本は、2014年に本条約を批准して以来、障害者基本法の改正や障害者差別解消法の制定、障害者自立支援制度、障害者雇用促進法の改正等、障害者施策に関する国内法制度の整備を行ってきました。
今回の国連審査では、社会モデルの観点を踏まえた障害の再定義や合理的配慮の定義等、ポジティブに評価されている点もあれば、精神科医療の現状(非自発的入院の存在、治療内容、無期限の入院)や分離教育(普通学級と特別支援学級の分離教育、合理的配慮の欠如)を中心としてネガティブに評価される点も数多くありました。
ネガティブな部分として、例えば「本条約の内容を把握している者が一部の専門家に偏っている」「父権主義(パターナリズム)や医学モデルの考え方が根強い」「当事者主体による制度・政策が行われていない」等厳しい意見が並びました。
皆さまも是非、障害者権利条約に謳われている「国際的な障害観」を把握され日々の支援に反映していただけましたらと思います。